穴(ツボ)の小話

鍼師灸師にとって穴(ツボ)は治療するところだけではないんですよ。
穴は体のいたるところにあり代表的なものだけで360ヶ所以上にも及びます。
大昔、
写真もレントゲンも無い時代において治療家同士の申し送りはなかなか難しかったのではないでしょうか 。また患者の訴える痛みの場所や実際治療した場所を記録するのに大変苦労したことと思います。「痛がるのは背中の真ん中当たりよりやや右側、治療したのはその回り、お腹とあばら骨の境辺りの違和感のあるところ、さらに左足のスネの上の方も・・・。」と書いたんでは正確な場所はわからないし文章も長々となり患者への対応も遅くなって現場は大混乱!
ところが穴が発見され実用化されると「痛がるのは右肝兪、そのため治療を筋縮、右魂門とした。期門も違和感を感じるのでここも治療点とした。左足三里も・・・。」てな具合に正確な場所を示すことができ文も短く整理出来るのです。これならミスもなく手際の良い対応ができます。つまり穴は体の指標を示す役割もしているのです。現代でも穴の知識があるもの同士なら穴を使った会話で患者の様子や治療方針などもかなり正確に具体的に伝えてることができるんですよ。